2024年4月から日本で就労する外国人の新たな在留資格として、特定技能分野に「自動車運送業」が加わることが決定となりました。これにより、タクシー業界でも外国人労働者を積極的に採用していく流れになっています。今回は、タクシードライバーを目指す皆様が参考になるように、日本人タクシードライバーが持つ「おもてなし力」について徹底解説いたします。
1 タクシードライバーの接客の難しさは?
タクシードライバーは、お客様を安全に目的地まで運ぶことが目的ですが、一方で「接客業」としての側面も大きくあります。1日に様々なお客様と出会い、ご利用いただく機会があるため、お客様一人ひとりに臨機応変に対応できる接客スキルが求められます。この部分がタクシードライバーの接客の難しさです。 運転技術も重要ですが、接客態度が悪いとお客様の満足度が低くなり評価が得られなかったり、お客様とのトラブルに繋がったりするため、接客スキルを磨くことは非常に重要です。
2 日本人タクシードライバーの「おもてなし力」とは?
日本人タクシードライバーには、おもてなしの心を持ち合わせたプロフェッショナルがとても多いのです。お客様を安全かつ快適に目的地まで送り届けるだけでなく、心地良いサービスを提供することにも努めています。代表的な日本のタクシードライバーの接客サービスを紹介いたします。
挨拶
タクシードライバーはお客様とのコミュニケーションを非常に大切にします。「相手にどのような印象を与えるか」という点に注意し、お客様への挨拶に力を入れます。最初の印象が良いと好印象に繋がるため、乗車されたお客様には元気よく挨拶を行います。また、最初だけでなく、乗車中の会話にも笑顔で対応することを心掛けています。お客様が乗車する時から降りるときまで、丁寧な挨拶と笑顔を忘れません。これにより、お客様はリラックスした雰囲気の中で快適に移動することができます。荷物をトランクに入れる際のフォロー
観光客などは大きなキャリーケースや荷物を持っていることが多くあります。その際は、タクシーから降り、お客様に荷物をトランクに入れるか確認をします。トランクに「入れる」と言われた場合は、お客様に代わり、荷物を丁寧にトランクに入れます。重いキャリーケースなどを入れる場合は大変ですが、このような気遣いもタクシードライバーは大切にしています。車内の温度調整
お客様によって車内での快適に感じる温度は様々です。そのため、車内の温度はドライバーに合わせるのではなく、お客様一人ひとりに合わせて調整します。お客様に「暑さや寒さはいかがですか?」とお声がけをし、確認します。体調が悪そうな方や女性には概して寒がりも多いため、車内がお客様にとって快適な温度に保たれているか、しっかりとお客様を観察して、それに対応することが重要です。観光スポットやおすすめのお店を紹介
タクシーを利用するお客様の中には観光スポットやお店を探している方もいます。また、地元の方だけが知っているような珍しいお店やご当地スポットが知りたいという方もいるでしょう。そのような方に対して、タクシードライバーは観光案内ができるスキルを持っている方が多くいます。自身が営業を行う地域の観光スポットだけでなく、細かいお店の情報なども把握し、お客様とコミュニケーションを行います。このような地理的な情報を頭に入れておくことはタクシードライバーとして大変な強みになります。
3 タクシー会社の研修
タクシー業界は未経験者の採用を行う会社が多いため、ドライバー業未経験、接客業未経験の方でも十分に挑戦可能です。お客様に対する接客が不安な方でも、タクシー会社では接客の研修がしっかりと行われますので安心です。ホスピタリティを重視しているタクシー会社は多く、基本的な接客マナーの研修、観光案内向けの研修、インバウンド向け研修など、様々な接客に応じた研修がありますので、入社後に接客スキルを向上させることができる様になっています。
まとめ
いかがだったでしょうか。日本のタクシードライバーの接客について、イメージすることはできましたでしょうか。
日本人タクシードライバーは、おもてなしの心と接客サービスのプロフェッショナルという自覚を持ち、お客様の快適な移動を実現しています。タクシードライバーの仕事は安全運転を行うだけでなく、接客という部分においても力を入れる非常に奥が深い仕事なのです。
また、皆さんがタクシードライバーになりたてのときは、上手く接客ができなくても悩む必要はありません。様々なお客様と出会い、コミュニケーションを取る中で自然と接客スキルが身に付いて行くものなのです。タクシー会社では接客研修に力を入れている会社が多いため、入社後にタクシードライバーとしての「おもてなし力」を学ぶ事で、外国人の皆様でもしっかりと日本式の接客サービスに挑戦する事が出来るのです!