2024年4月から日本で就労する外国人の新たな在留資格として、特定技能分野に「自動車運送業」が加わることが決定となりました。これにより、トラック業界でも外国人労働者を積極的に採用していく流れになっています。この記事では、トラックドライバーとして就職を希望する外国人の皆様が最も気になる“給料”について徹底解説致します。 この記事を参考にしていただき、より良い待遇のもとで働けるようお考えいただければと思います。
1.トラックドライバーの平均給与は342,500円
2022年の厚生労働省の調査によると、トラックドライバーの給料は、平均「月給342,500円」です。実は特定技能で働ける介護、ビルクリーニング、建設、造船・船用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業、素材系・産業機械・電気電子情報関連製造業の12分野の平均給与は「月給205,700円」(2022年)であることから、トラックドライバーの給与はかなり高いと言えます。
また、トラックの大きさや配送距離、年齢世代給、会社規模などによって、その給料やボーナスも大きく異なる傾向があります。
2.けん引免許の平均給与
以下の表は業種・免許別の給与の1ヶ月平均と給与+賞与の1ヶ月平均を表しています。
業種・免許別給与構成
給与1ヶ月平均 | 給与+賞与1ヶ月平均 | |
けん引免許 | 391,000 | 442,300 |
大型自動車免許 | 364,500 | 402,100 |
中型自動車免許 | 304,600 | 337,800 |
準中型自動車免許 | 320,100 | 361,200 |
普通自動車免許 | 313,200 | 365,700 |
平均 | 342,500 | 382,700 |
2022年トラック運送事業の賃金・労働時間の実体(単位:円)
運転者の賃金を免許別にみると、1人1ヵ月平均賃金で高い方から、けん引、大型、準中型、普通、中型の順となっています。 上位免許を取得することで、より高い給与を目指すことも可能です。
3.40代の平均給与
厚生労働省の調査によると、トラックドライバーの年代別平均給料は以下のようになっています。
道路貨物運送業の年齢別平均給与(賞与含む)
年齢 | 年収 |
---|---|
全体合計 | 382,700 |
20歳未満 | 249,200 |
20〜29歳 | 329,300 |
30〜39歳 | 377,700 |
40〜49歳 | 399,200 |
50〜59歳 | 398,600 |
60〜64歳 | 341,100 |
65歳〜 | 274,600 |
2022年トラック運送事業の賃金・労働時間の実体(単位:円)
この調査によると、トラックドライバーの平均給料の1ヶ月平均(賞与含む)がもっとも高くなるのは40代で、「399,200円」となっています。
年収=月給(賞与含む)×12ヶ月と考えると、
399,200円×12ヶ月=4,790,400円となります。
2019年よりスタートした新たな在留資格である特定技能ですが、現在、約20万人に及ぶ外国人が就労されています。以下の通り、95%以上の方が18歳〜39歳と若く、高齢化が進むドライバー業界の中で若い人材が求められているのがわかります。
特定技能人材 年齢割合
年齢区分 | 計 | 割合 |
18歳~29歳 | 126,135 | 60.5% |
30歳~39歳 | 72,170 | 34.6% |
40歳~49歳 | 9,663 | 4.6% |
50歳以上 | 457 | 0.2% |
総数 | 208,425 |
出所:出入国在留管理庁 令和5年12月末 特定技能在留外国人数の公表より引用
4.大企業の大型トラックドライバー、年収平均
大型貨物自動車運転者 | 貨物自動車運転者(大型除く) | |||
---|---|---|---|---|
企業規模 | 月給 | 賞与その他 | 月給 | 賞与その他 |
10人以上 | 354,000 | 383,900 | 320,500 | 460,300 |
10〜99人 | 343,000 | 329,800 | 300,400 | 247,900 |
100〜999人以上 | 367,900 | 423,800 | 326,000 | 406,300 |
1000人以上 | 391,500 | 680,800 | 340,400 | 774,300 |
※令和3年賃金構造基本統計調査(単位:円)
一般的に1,000人以上を「大企業」、100~999人を「中企業」、10~99人を「小企業」に区分されることが多いですが、大型自動車のトラックドライバーと大型自動車を除くトラックドライバーを比べた場合、大型自動車のドライバーの方が、給与は起業規模にかかわらず高くなっています。 企業規模10人以上で見た場合、先に解説したようにそれぞれの年収を計算してみると、
【大型車のドライバーの年収】
391,500円×12+680,800円=5,378,800円
【大型車を除くドライバーの年収】
340,400円×12+774,300円=4,859,100円
となります。
平均年収で見ると、大型車のドライバーの方が、50万円以上高くなっています。
また、企業規模で比べてみると、1000人以上の大企業が、どの区分のドライバーも、月給・賞与その他ともに最も高くなっています。
つまり、トラックドライバーの場合は、大型車のドライバーの給与が高い傾向にあり、規模の大きな会社ほど厚遇であることが分かります。
まとめ
2024年4月から日本のトラック業界で外国人労働者の採用が進み、上記の様にトラックドライバーとして高収入が期待出来る様になりました。
また、上位免許になるほど、条件が良くなる事もわかりました。
求められている年齢層は、18歳から39歳までと若い方々に期待が集まっています。
高収入を得ているのは、40代の大型トラックドライバーでした。更に大企業になるほど、厚遇であることも確認されました。
いま、多くの若い外国人にとって理想的な収入で働くことが出来る道が開かれていると言えます。このチャンスを是非ものにしていただき、皆さまの輝かしいキャリアパスとなる事を心からお祈り申し上げます。