交通の未来を担う 外国人タクシードライバーのメリットと魅力

交通の未来を担う 外国人タクシードライバーのメリットと魅力

2024年4月以降、日本は特定技能ビザ制度を拡大し、自動車運送業界での外国人労働者の受け入れを開始する予定です。これにより、タクシー業界も新たな時代の幕開けとなります。外国人労働者がタクシードライバーとして日本で働くことは、多くのメリットと魅力があります。ここでは、タクシードライバーとして就業するメリットと魅力について、皆さんから見た目線で解説してみようと思います。

給与・年収が高い

なんといっても一番は給与、報酬が他の業種と比べて圧倒的に高い事が言えます。

以下のデータをご覧ください。 一番左のグレー棒は特定技能制度の12分野平均給与です。特定技能とは、国内人材を確保することが困難な状況にある12分野の産業において、一定の専門性・技能を有する外国人を受け入れることを目的とした制度です。新たにこの特定技能に加わる自動車運送業ですが、ご覧の通り12分野との比較では非常に高いことが分かります。

特定技能「自動車運送業」の給与

特定技能「自動車運送業」の最大の魅力は給与面です。
他の分野に比べ、圧倒的に平均給与が高くなっています。

出所:厚生労働省 令和4年度賃金構造基本統計調査
全国ハイヤー・タクシー連合会 令和4年タクシー運転者の賃金・労働時間の現況/全日本トラック協会 令和4年度トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態より引用

更にタクシードライバーは給与体系も、一般的なサラリーマンの方とは異なっています。 歩合制といって、自分が乗客を乗せた売上分に比例して、給料が上がる仕組みです。タクシーの歩合率は売上に対して60%前後の会社が多いため、月の売上が80万円なら月給48万円前後、100万円なら60万円前後と稼ぎを伸ばすことも可能です。外国人の方にとっては大きなチャンスとなります。
補足となりますが、現在のタクシードライバーの平均年齢は60歳前後です。若い外国人タクシードライバーが一定の経験を積めば、日本人ドライバー以上に稼げることも可能でしょう。

自分の時間を確保しやすいという魅力

タクシードライバーは、他の職業と違って休日を確保しやすいというメリットがあります。
多くのタクシー会社でもよく採用されている「隔日勤務」という勤務形態に起因します。

「隔日勤務」とは、丸1日働いて次の日に休むという勤務形態です。例えば、朝6時~翌朝2時まで働いて、仕事が終わったその日は休みという働き方になります。この隔日勤務の拘束時間は20~22時間とかなり長いのですが、20時間以上ずっと働き続けるわけではなく、間に3時間程度の休憩を取る配慮がなされています。

タクシードライバーには日勤や夜勤という勤務形態もありますが、隔日勤務なら多くの休日があるので、自分の時間をより確保しやすくなるのです。隔日勤務のような勤務形態は、家族との大切な時間を尊重したい方や働きながら趣味を充実させたい人、何か夢を叶えるために時間を確保したい人に向いている働き方だと言えます。

タクシードライバーに誰もがなれる!

基本的に第一種免許を持っていて1年以上経っていれば誰にでもなれる職業です。道路交通法の改正で、タクシーを運転できる2種免許の受験資格が緩和され、1種免許の取得から1年で乗務できるようになりました。現代はカーナビゲーションや配車アプリなど、便利なツールが導入されています。また地理試験が廃止になったことにより、日本の地理にあまり詳しくない外国人の未経験者でもタクシードライバーに挑戦できる環境が整いました。特に、東京や神奈川、大阪など大都市圏でのタクシードライバー就職・転職を目指す人にとっては大きなチャンスです。

専門技能の習得

タクシードライバーとしての仕事は、単に運転するだけではありません。顧客サービス、ナビゲーションスキル、緊急時対応など、多岐にわたる専門技能を習得することができます。これらのスキルは、将来的に他の職業に就いたとしても役に立つものが多いです。また、日本独特の高い基準におけるビジネスマナーや接客サービスも学ぶことができるため、個人の職業能力を大いに高めることが可能となります。

文化交流の促進

日本で外国人がタクシードライバーとして働く最大の魅力の一つは、日本固有の文化と接触し、それを深く理解する機会を持てることです。今後、更に外国人旅行者は増え続けます。ドライバーは日常的に様々な外国人旅行者の乗客と交流することになります。旅行者が自国の言語が通じる方々の場合などには、自国の言語での接客が大変魅力的なサービスとなります。ドライバーが自国の言語で日本文化を紹介することで、乗客により繊細で今までにない価値を提供する事となり、日本人ドライバーには出来ない接客サービスが実現するのです。

言語スキルの向上

日本でタクシードライバーとして働くことは、日本語能力の向上に直結します。日常業務を通じて日本語でのコミュニケーションスキルを鍛えることができるため、言語習得において実践的な経験を積むことになります。日本語能力の向上は他の職種への転職やキャリアアップのチャンスを広げることにもつながります。

生活の質の向上

日本は公共サービスやインフラが整っており、安心、安全な環境で生活することができます。外国人ドライバーとして働くことで、これらの高い生活基準を享受することで家族を養うための良い条件を得ることになります。また、日本の社会保障制度にアクセスできることも、長期的に見て大きなメリットと言えます。

おわりに

日本の労働力不足は、益々深刻化しており、国を挙げて海外から優秀な労働力を確保する為の環境創りを開始しています。その海外からの労働力向けに用意された環境下にて就労することは、外国人労働者にとって多くのメリットであり魅力となります。特定技能ビザ制度の下での労働は、外国人労働者にとって、日本でのキャリアを築くための大きなステップとなることでしょう。

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